体のエネルギー源、三大栄養素の働きとは?バランス良く食事に取り入れよう

体のエネルギー源、三大栄養素の働きとは?バランス良く食事に取り入れよう

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三大栄養素とは健康な身体作りに欠かせない炭水化物、タンパク質、脂質の3つを指します。本記事では三大栄養素の働きや、各栄養素をバランス良く食事に取り入れるための合言葉である「まごわやさしい」「三色食品群」などを紹介します。

INDEX

三大栄養素とは?

三大栄養素の円環図

三大栄養素とは炭水化物、タンパク質、脂質の3つを指し、どれも人間の身体になくてはならない存在です。三大栄養素にビタミンとミネラルを加えたものを五大栄養素と呼びます。

炭水化物

炭水化物はエネルギー源となる栄養素の1つで、ブドウ糖や果糖などの単糖から構成されていています。米や麺類、芋など主食と呼ばれる食べ物に多く含まれていて、体内で吸収されエネルギー源となる糖質と、消化吸収されない食物繊維に大きく分けられます。炭水化物を摂りすぎると、その分は脂肪として体内に蓄積されるため注意が必要です。しかし、糖質の摂取量を減らしすぎると、疲れやすくなったり、集中力が切れやすくなったりします。

タンパク質

タンパク質は多数のアミノ酸が結合してできていて、肉、魚介、大豆、乳製品などに多く含まれています。人の体の約60%は水分で、15~20%はタンパク質でできています。つまり、水分を除いた重量の約半分をタンパク質が占めているのです。タンパク質はアミノ酸だけで構成されるタンパク質と、アミノ酸以外の成分を含む複合タンパク質に分類できます。8種類の「必須アミノ酸」は体内で作ることができないため、食品から摂取する必要があります。

脂質

脂質は炭素、水素、酸素で構成されていて、肉や魚、食用の果実や種子である種実などに多く含まれています。1gあたり9kcalと三大栄養素の中で最も高いエネルギーを生み出しますが、摂りすぎるとカロリーオーバーとなり、さまざまな生活習慣病にかかりやすくなります。脂質は単純脂質、複合脂質、誘導脂質の3つに分類することができ、単純脂質の代表的なものに中性脂肪があります。これは一般的に脂肪と呼ばれているものです。貯蔵脂質として皮下や腹腔などに蓄えられ、エネルギー源となります。複合脂質にはリン脂質や糖脂質があり、タンパク質と結合することで細胞膜の構成成分となります。誘導脂質にはステロール類があり、コレステロールと呼ばれているものが代表的です。

三大栄養素の働き

木のまな板の上に乗っている野菜や肉

三大栄養素は人間が生きていく上で、特に欠かせない栄養素です。ここでは、三大栄養素は体内でどのような働きをしているのか詳しく見ていきましょう。    

炭水化物は脳や体を動かすエネルギー源になる

炭水化物に含まれている糖質は最もエネルギー源として使われやすく、体や脳を動かすために欠かせない栄養素です。糖質が不足すると、脳に必要な栄養素が届かなくなり、足りないエネルギー源を補うために体の筋肉や脂肪が分解されます。しかし糖質を過剰に摂取しすぎると、余った分は中性脂肪に分解され脂肪として体内に蓄積されるので注意が必要です。糖質をエネルギーに変えるためにはビタミンB1が必要なので、豚肉やレバーなどビタミンB1が多く含まれている食品と組み合わせるのがおすすめです。

タンパク質は筋肉など身体の組織を作る

タンパク質は筋肉や内臓、髪の毛、皮膚などを構成するのに必要な栄養素です。タンパク質は体内で分解されてアミノ酸となり、血流から全身に運ばれます。ホルモンや免疫細胞を作る役割だけでなく、全身の筋肉疲労回復の手助けもするので、スポーツやトレーニングの後は積極的に摂取するのがおすすめです。肉や魚、卵などの動物性タンパク質と、穀類や豆類などの植物性タンパク質の両方をバランス良く摂るよう心がけましょう。

脂質は体温を保ち臓器を守る

脂質は体温の保持や臓器を守るなどの役割があります。脂質は糖質と同様に体のエネルギー源となります。不足すると頭皮などの発育低下や疲労感につながることに。しかし、過剰に摂取するとさまざまな生活習慣病にかかりやすくなります。1日の摂取目安量は成人で約20~30g程度と言われていて、適切な量を摂取することが大切です。

三大栄養素をバランスよく摂るためのポイント

栄養バランスを意識した和食の献立

健康な体を作るには、三大栄養素をバランスよく摂る必要があります。ここでは、献立を考えるときに意識するポイントを紹介します。    

「まごわやさしい」を取り入れる

「まごわやさしい」とは、和の食材でそれぞれ健康に効果があると言われているものです。

大豆・豆腐・納豆などの大豆製品 タンパク質が豊富
ごま・ナッツ・落花生などの種実類 タンパク質、脂質、三代栄養素の代謝を助けるミネラルが豊富
わかめ・ひじき・昆布などの海藻類 ミネラルが豊富
単色野菜・緑黄色野菜・根菜などの野菜類 ビタミン、ミネラル、食物繊維(炭水化物)が豊富
鯵・鯖・鮭などの魚類 タンパク質やミネラルが豊富
しいたけ・しめじ・エリンギなどのきのこ類 ビタミン、ミネラル、食物繊維(炭水化物)が豊富
じゃがいも・さつまいも・里芋などのいも類 炭水化物が豊富

ミネラルはエネルギーになるものではありませんが、三大栄養素の代謝を助ける働きをし、健康維持、体調管理には欠かせない栄養素です。

毎食すべての食材を摂ることは難しいので、1日の食事を通して摂れるように心がけることが大切です。普段の食事の中で不足している食材がないか振り返ってみましょう。

三色食品群と一汁三菜が基本

三色食品群とは体内での働きや特徴によって、3つの色に食材を分類したものです。

主菜やメインのおかず 身体を作るタンパク質を多く含む食材(肉・魚・卵など)
黄色 主食 エネルギー源になる炭水化物や脂質を多く含む食材(ご飯・パン・油脂類など)
副菜など 体の調子を整えるビタミンやミネラルを多く含む食材(野菜・きのこ類・海藻類・果物など)

一汁三菜とは、主食+主菜+副菜2つ+汁物のことを指します。日本の食事は一汁三菜が基本で、主食は黄色、主菜は赤、副菜は緑、汁物は赤と緑のグループで組み立てることが大切です。PFCバランスを意識することも、健康的な食生活に欠かせません。PFCバランスとは三大栄養素の頭文字を取った言葉のことです(P=タンパク質、F=脂質、C=炭水化物)。特にダイエット中はカロリー値だけに注目しがちですが、同じ量の食材でもPFCバランスは大きく異なります。

三大栄養素を意識して献立を作ってみよう

コーヒーを飲みながら夕食の献立を考えている女性

健康的な食生活を送るためには、三大栄養素が欠かせません。「まごわやさしい」などを取り入れて、栄養バランスの良い献立を作ってみましょう。    

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