
- 美容・健康
- 2022.05.24
低糖質の食材はどれ?糖質制限のメリット・デメリット
低糖質の食材を意識して摂ると、ダイエットや美容効果などさまざまなメリットが期待できます。ただし、極端に糖質を制限すると体の不調を招くことがあるので注意が必要です。この記事では糖質の基礎知識と低糖質のメリット・デメリットを解説します。低糖質の食材と糖質の多い食材も紹介するので、低糖質の食事をする際の参考にしてみてくださいね。
糖質とは

低糖質の食材を効果的に摂るために、炭水化物と糖類との違いを知っておくことが大切です。まずは、糖質の基礎知識について解説します。
炭水化物-食物繊維=糖質
糖質は炭水化物に含まれるもので、炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質の量(炭水化物-食物繊維=糖質)です。糖質はエネルギー源となる重要な栄養素の1つ。糖質を制限するために炭水化物の摂取量を抑えると、食物繊維やエネルギーの摂取量も減ってしまいます。
糖質と糖類の違い
糖質と糖類は混同されやすいですが、糖質をさらに細かくしたものが糖類です。炭水化物・糖質・糖類を分類すると以下のようになります。
炭水化物>糖質>多糖類(でんぷん・オリゴ糖など)や糖アルコール(キシリトール・エリスリトールなど)>糖類(砂糖・ブドウ糖・果糖など)
上記を見てわかるように、「糖質ゼロ」とはいっさいの糖質を含みませんが、「糖類ゼロ」の場合はブドウ糖や砂糖などは含んでいなくても、糖質や多糖類、糖アルコールなどは含んでいる可能性があります。ダイエットなどで糖質を含まない食品を摂りたい場合は、「糖質ゼロ」のものを選びましょう。
低糖質の食材を摂るメリット

低糖質の食事を心がけることで、ダイエットや美肌効果、むくみの解消などさまざまなメリットがあります。次に、低糖質の食材を摂るメリットを詳しく紹介します。
脂肪がつきにくくなる
低糖質の食品を意識して摂取することで、脂肪がつきにくくなるのが1つ目のメリット。摂取された糖質は、小腸でブドウ糖・果糖に分解されて吸収されます。ブドウ糖が吸収されると血糖値が上がり、膵臓からインスリンが分泌されます。
ブドウ糖はインスリンによって全身の細胞に取り込まれ、エネルギーとして消費されますが、余ったブドウ糖は細胞内で脂肪に変えられて蓄積されるのです。摂取する糖質の量を抑えた場合、インスリンの分泌も抑えられることから、脂肪がつきにくくなります。
同時に、蓄えられていた脂肪がエネルギーとして消費されるため、痩せやすくなります。「糖質制限ダイエット」とは、この糖質が脂肪になる仕組みを利用して、糖質の摂取量を抑えることで減量するダイエット方法です。
糖質制限ダイエットの1つ、「ケトジェニックダイエット」については、こちらの記事で詳しく解説しています↓
同月記事「ケトジェニックダイエット」へ内部リンク
肌の劣化が抑えられる
低糖質を意識することで、細胞の劣化が抑えられるため美肌効果が期待できます。摂取後にエネルギー源として使われずに余った糖質は、体内のタンパク質などと結びつき細胞を劣化させます(糖化)。この現象が進むと、肌にシミやくすみ、しわ、たるみなどが現れてくるのです。
体のむくみが取れる
糖質を抑えることでむくみが解消されるのもメリットです。糖質にはその質量に対して、約3倍の水分と結びつく性質があると言われています。低糖質を心がけることで、体内の水分量が減ることに。
また、糖質を抑えると体内に水分をため込むナトリウムの再吸収も低下するため、体内の余分な水分が排出されやすくなります。これらの作用により、むくみの解消が期待できます。
低糖質の食材を摂るデメリット

低糖質にこだわった食事を続けると、体へ悪い影響を与えたり、ダイエット後のリバウンドにつながったりします。続いて、低糖質の食材を摂るデメリットについて解説します。
栄養が偏り体調不良を招く
糖質は脳が機能するために必要なエネルギー源です。糖質の摂取量が極端に制限されると、脳機能が低下し倦怠感や頭痛などの体調不良を招くことがあります。また、糖質の摂取量を抑えることを目的に炭水化物の摂取量を減らすと、同時に食物繊維や水分の摂取量も少なくなることから、便秘になってしまうことも。厚生労働省によれば、基礎代謝量を1,500kcal/1日とした場合、最低限必要な糖質量は、約100g/1日とされています※。
※「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」
筋肉量が落ちやすい
低糖質の食事により摂取カロリーが不足すると、筋肉がアミノ酸に分解されエネルギー源として使われるため、筋肉量が減少してしまいます。1日の摂取カロリーを落とさず、タンパク質を摂りながら適度な運動を取り入れて筋肉量が落ちないようにすることが大切です。
タンパク質の摂り方については、こちらの記事で詳しく解説しています↓

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リバウンドしやすい
低糖質の食事はリバウンドしやすいのもデメリットと言えるでしょう。低糖質の食事を続けると数日で体重は落ちますが、元の食事に戻すと体重もすぐに戻ってしまいます。数日で体重が落ちるのは、糖質と結びついている水分が減っているだけなのです。脂肪が分解されるようになるには、低糖質の食事を2週間~3ヵ月ぐらい続ける必要があると言われています。
ただし、3ヵ月以上低糖質の食事を続けて急に元に戻すと、血糖値が急に上がり糖の吸収が活発になります。そのため、ご飯の量や甘いものを取った際にセーブが効かなくなり、暴飲暴食してリバウンドを起こすことも。このようなリバウンドを避けるには、少しずつ食事内容を戻す必要があります。
低糖質の食材
ここからは低糖質の食材を紹介します。可食部100g当たりのカロリーと糖質(炭水化物-食物繊維=糖質)※をあげていますので、低糖質の食材選びの際に参考にしてみてください。
※文部科学省「食品成分データベース」より抽出
1. 肉類

肉類は一般的に糖質が少なく、豚ばらや鶏もものように糖質が0g(0.05g未満)の食材も。肉のなかでも糖質が少ないのが鶏肉です。牛肉は肉類のなかでは高めですが、1g以下がほとんどなので、他の食材と比較すると低い方と言えます。
肉類 (可食部100g当たり) |
エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
牛かたロース | 380 | 0.2 |
牛サーロイン | 294 | 0.4 |
牛もも | 176 | 0.6 |
豚ロース | 140 | 0.3 |
豚ばら | 398 | 0 |
鶏むね | 105 | 0.1 |
鶏もも | 113 | 0 |
鶏ささみ | 98 | 0.1 |
鶏卵 | 142 | 0.4 |
2. 魚介類

魚も全般的に低糖質の食材が多いです。さよりやすずきには、微量(Tr)しか含まれていません。砂糖やみりんを使う調理法は糖質の量が上がるので、焼き魚などにして食べるのがおすすめです。
魚類 (可食部100g当たり)
|
エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
あじ | 112 | 0.1 |
いわし | 156 | 0.2 |
かつお | 108 | 0.2 |
さより | 88 | Tr |
すずき | 113 | Tr |
まぐろ | 115 | 0.1 |
あさり | 27 | 0.4 |
はまぐり | 35 | 1.8 |
あまえび | 85 | 0.1 |
3. 野菜類

野菜は肉や魚に比べて糖質を含む食材が多いです。野菜のなかでは、ホウレン草が特に少なく、にんじんやブロッコリーなども少ない食材。キャベツは意外に糖質が高めなので摂取量に注意しましょう。
野菜類 (可食部100g当たり)
|
エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
キャベツ | 21 | 3.4 |
きゅうり | 13 | 1.9 |
だいこん | 21 | 1.4 |
トマト | 20 | 3.7 |
にんじん | 16 | 1.0 |
ブロッコリー | 37 | 1.5 |
ほうれんそう | 18 | 0.3 |
レタス | 11 | 1.7 |
4. 果物類

果実類は全体的に糖質が多めですが、下記の果物は糖質が少ないので覚えておくと便利です。ただし、アボカドはカロリーが高めなので注意しましょう。
果物類 (可食部100g当たり)
|
エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
アボカド | 176 | 2.3 |
いちご | 31 | 7.1 |
なし | 38 | 10.4 |
ラズベリー | 36 | 5.5 |
糖質が多い食材
糖質を多く含むのが、いも類や主食類です。それぞれの糖質をチェックしておきましょう。

いも類 (可食部100g当たり)
|
エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
さつまいも | 126 | 29.7 |
じゃがいも | 59 | 8.4 |
ながいも | 108 | 21.2 |

主食 (可食部100g当たり)
|
エネルギー(kcal) | 糖質(g) |
---|---|---|
うどん | 95 | 20.3 |
そうめん | 114 | 24.9 |
スパゲッティ | 150 | 29.2 |
白米 | 156 | 35.6 |
食パン | 246 | 45.5 |
低糖質のメリット・デメリットを理解して食生活に取り入れよう

低脂質の食事をすることは、ダイエットや美肌効果、むくみの解消といったさまざまなメリットがあります。ただし、低脂質の食事にこだわりすぎてしまうと、栄養バランスが傾き体調不良を招くことがあるので注意しましょう。低脂質のメリット・デメリットを理解して、上手く食生活に摂り入れてくださいね。