
- 美容・健康
- 2022.01.17
筋トレをする人に必要な一日のタンパク質の量とは
定期的に運動を行う習慣がある人は、体作りのためにタンパク質を積極的に摂る必要があるのはご存知ですよね。さらに、運動やトレーニングによって自分に合った摂取量を満たすこともポイントです。筋トレをする人のタンパク質摂取量や効果的な摂取の仕方についてご紹介します。
筋肉をつける上で必要なタンパク質

まずは基本的なことからおさらいしていきましょう。人の体の約13〜20%は、タンパク質からできています。体内のタンパク質は、筋肉・内臓・皮膚・爪・毛髪などを作る役割があり、体内では常に古いタンパク質と新しいタンパク質が入れ替わっています。よってタンパク質が不足すると、筋力の低下や肌荒れなどの不調が起こります。
またタンパク質のなかには、体内で合成できないものがあります。筋肉をしっかりつけるためには、そのタンパク質の原料となるアミノ酸などを食品から摂る必要があります。
タンパク質摂取基準量の基本
厚生労働省が定める日本人のタンパク質摂取基準量は、以下の通りです※。
年齢 | 男性 | 女性 | ||
---|---|---|---|---|
推定平均摂取量 | 推奨量 | 推定平均摂取量 | 推奨量 | |
15~17歳 | 50g | 65g | 45g | 55g |
18~29歳 | 50g | 60g | 40g | 50g |
30~49歳 | 50g | 60g | 40g | 50g |
50~69歳 | 50g | 60g | 40g | 50g |
70歳以上 | 50g | 60g | 40g | 50g |
※…厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
合わせてお読みください↓

タンパク質ってどんな働きをするの? どのくらい摂取すればいいの?
「タンパク質」は、スポーツや筋トレを習慣にしている人が意識的に摂取しているイメージが強いのではないでしょうか。しかしタンパク質は、健康な体を維持するために必要不可欠で、誰にとっても欠かせないものです。...
筋トレをする人はどのくらいのタンパク質が必要?

タンパク質の必要量は、運動の強度や量によって変わります。定期的に運動する人や、トレーニングを行っているアスリートなどのタンパク質の必要量は、運動しない人と比べると約1.8倍ほどだといわれています。日頃の自分の運動量を見直し、必要に応じてタンパク質の摂取量を調整しましょう。
適切なタンパク質摂取量は、直前運動量で変わる
同じ年齢であっても、性別・体重・生活パターンなどでタンパク質や糖質の必要量は変わります。自分の体に必要なタンパク質や糖質の量はどうやったら分かるの?という人は、以下の計算式を参考にしてください。
《計算式》※1
1日に必要な【タンパク質・糖質】量(g)=自分の体重(kg)×体重1kgあたりの【タンパク質・糖質】必要量(g)
ただし「体重1kgあたりの栄養必要量」は、直前の運動量で大きく変わります。それを踏まえ、以下のタンパク質・糖質の必要量を参考にしてください。
《タンパク質》
運動量 | 体重1kgあたりの タンパク質必要量
|
---|---|
週に4〜5回、 30分のトレーニング
|
0.8~1.1g |
筋力トレーニング(維持期) | 1.2~1.4g |
筋力トレーニング(増強期) | 1.6~1.7g |
ウエイトコントロール期間 | 1.4~1.8g |
《糖質》
運動条件 | 糖質摂取量目安 | |||
---|---|---|---|---|
運動後、4時間以内に回復する場合 | 1~1.2g/kg/時間 | |||
回復期間が1日程度 | 低強度のトレーニングを 継続した場合
|
5~7g/kg/日 | ||
中~高強度の 持久性運動の場合
|
7~12g/kg/日 | |||
1日の運動時間が4~6時間以上で 強度の高い運動の場合
|
10~12または 12g以上/kg/日
|
※10代はプラス10%多く摂取が必要となります。
例えば、体重が50kgで、定期的にジョギングをしている人の場合だと、50kg×1.2(持久性トレーニング)=60gになります。
※1…厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
筋力トレーニング前後は、糖質摂取も合わせて必要
糖質(炭水化物)は「摂りすぎると太る」といわれているため筋トレ中の栄養補給には避けられがちですが、実は筋トレの効果は糖質の摂取によってさらに期待できます。
そのメカニズムは、トレーニングに必要なエネルギーを糖質から摂取することで、体内のタンパク質の分解を抑制するというもの。糖質が不足した状態で筋トレをすると、体はタンパク質を分解することでエネルギーを作り出してしまいます。本来筋肉を作るための材料であるはずのタンパク質が、エネルギーを作るための材料となってしまうため、筋肉が作られなくなるのです。
効率的にタンパク質を摂取する3つの方法

タンパク質摂取量が少ないと筋肉量が減って基礎代謝量が落ち、太りやすくなってしまいます。そのため自分に合った量を摂取するには、工夫が必要です。ここではそのポイントを紹介します。
1.カロリーに注意しながら摂取
タンパク質は主に肉類・魚介類・卵類・納豆や豆腐などの豆類・牛乳・ヨーグルト・チーズなどから摂取しますが、タンパク質の摂取に意識するあまり、食品によってはカロリーオーバーになることがあるので注意が必要です。タンパク質を摂取するときは、カロリーを抑えることを念頭に置きましょう。肉類にはタンパク質が豊富に含まれていますが、種類によっては脂質も多く含まれるのでカロリーも高くなりがちです。なるべく低脂肪・高タンパクの食品を選びましょう。
<低脂肪・高タンパクの食材>※
食品名(分量) | タンパク質 | 脂質 | カロリー |
---|---|---|---|
無脂肪ヨーグルト(1食目安100g) | 4.0g | 0.3g | 約3.7kcal |
低脂肪ヨーグルト(1食目安100g) | 3.7g | 1.0g | 約40kcal |
無脂肪牛乳(コップ1杯200ml) | 8.5g | 0g | 85kcal |
枝豆(100g) | 11.5g | 6.0g | 135kcal |
豆腐(100g) | 6.5g | 4.0g | 70kcal |
マグロ刺身(100g) | 21〜25g | 0.1〜0.2g | 120kcal |
ツナ缶(1個) | 16〜18g | 0.2〜0.4g | 70〜90kcal |
鶏むね肉(100g) | 24g | 1.9g | 120kcal |
鶏ささみ(100g) | 24g | 1.0g | 110kcal |
豚ヒレ(100g) | 22g | 1.7g | 110kcal |
ヨーグルトや牛乳などは、製品によって含有量・カロリーが異なっている場合があります。パッケージに表示されている成分表で確認してみてください。
※…文部科学省「食品成分データベース」
2.運動直後に摂取をするのがカギ

運動後30分以内にタンパク質を摂取することも重要なポイントです。運動直後にタンパク質を摂取すると、筋肉の疲労回復や増強に効果的だといわれています。運動後タンパク質を十分に摂取しなければ、筋肉の補修が遅れ体全体が疲れてしまいます。また、トレーニング中のアスリートなど、負荷の高い運動をしている人は、運動後だけでなく、運動前・運動中のタンパク質摂取が効果的なケースもあります。
3.三食で均等に摂取するのが重要
1回の食事でタンパク質を多めに摂ればより多くの筋肉が作られるかというと、そうではありません。運動後に摂取したタンパク質による筋肉の合成速度の研究では、タンパク質20gまでは合成速度が上昇したけれども、それ以上は変わらないという結果が出ています※。つまり、1回の食事でタンパク質を大量にとっても、20g程度しか効果を発揮しないということです。
現代の日本人の食事は一般的に「朝と昼は軽め、夜しっかり」な人が多いので、タンパク質の摂取が夜に偏りがちです。一日に必要なタンパク質が60gなら、朝昼晩、それぞれタンパク質を20gずつ摂るのが理想的です。3食バランスよく摂取することを心がけましょう。忙しくて朝食を抜きがちになる場合は、栄養補助食品などで手軽に補うこともおすすめです。
※Am J Clin Nutr. 2009 Jan;89(1):161-8
忙しい朝のタンパク質補給におすすめ
C. TRIA(シートリア) クランチ
食品ロスを餌にして育ったコオロギから作られたグリラスパウダーを、幅広い世代に人気のお菓子、チョコクランチに配合。大豆パフとの組み合わせで、タンパク質の含有量はなんと40%に達しています。ほどよい甘さのチョコにグリラスパウダーの香ばしい風味がマッチ。タンパク質含有量の高さと美味しさが両立したチョコクランチです。手軽にパクッと食べられる大きさなので、朝食を抜いたときなどにおすすめ。
筋肉をつけたい人もつかない人も食事の見直しが重要

ご自身の筋力アップのために必要な適正量がお分かりになったかと思います。筋トレに欠かせないタンパク質は、朝昼晩の食事で、バランスよく摂取するようにしましょう。不足しがちなときは、手軽に食べられるプロテインバーなどの栄養補助食品をプラスするのもおすすめです。