グリーンウォッシュとは見せかけのエコ。本物を見抜くためのチェックリストを紹介

グリーンウォッシュとは見せかけのエコ。本物を見抜くためのチェックリストを紹介

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グリーンウォッシュとは、エコでもないのにエコ商品だと謳うような行為のこと。近年、企業にもSDGsの取り組みが求められるようになり、グリーンウォッシュと判断されるような事例も増えてきました。この記事ではグリーンウォッシュの意味や実例を紹介し、本物か判断するためのチェックするべきポイントも解説します。

INDEX

グリーンウォッシュの意味と背景

植物を両手で持っている男性

実際はエコではないのに環境に良さそう、エコであると見せかけ、消費者の誤解を招くグリーンウォッシュ。まずは、グリーンウォッシュの言葉の意味や背景について解説します。    

グリーンウォッシュとは

グリーンウォッシュ(greenwashing)とは、実際は環境に配慮していない商品やブランドを、パッケージやPRなどを通じて環境に配慮しているかのように見せかけることを指します。環境に配慮している「グリーン」と、ごまかしや上辺という意味を持つ「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語です。最近では、SDGsウォッシュという言葉も広まりつつあります。グリーンウォッシュが由来だと言われていて、実態は伴っていないのにSDGsに取り組んでいるように見せかけることを言います。

グリーンウォッシュの背景

グリーンウォッシュは、1980年代半ばあたりから欧米の環境活動家を中心に使われるようになった言葉です。80年代後半〜90年代は広告キャンペーンなどに森林や海洋の写真を使ってエコである印象を持たせる企業が多く、それらを批判するためにグリーンウォッシュという言葉が生まれました。現代では企業にもSDGsの取り組みが求められるようになり、さらにグリーンウォッシュが増えています。

グリーンウォッシュの事例

自然でいっぱいの地球を両手でかかえている男性

続いては、過去に実際にあったグリーンウォッシュの事例を紹介します。ここで紹介するのは、世界に店舗展開している有名な企業です。

マクドナルド

マクドナルドは2018年、イギリスとアイルランドで展開する全店舗でストローをプラスチック製から紙製へ切り替えました。当初、紙ストローは100%リサイクル可能とされていました。しかし、実際は使用されたストローはリサイクルされずに、そのまま廃棄されていたことが明らかになり、グリーンウォッシュであると批判を受けました。

H&M

H&Mは2019年に、自然由来の綿やリサイクル可能なポリエステルを全てのラインナップに使用した「H&Mコンシャスコレクション」を発表しました。サスティナブルなファッションとしてPRしましたが、使用されている素材や宣伝などに十分な根拠や実態を伴っていないとノルウェーの消費者庁から指摘を受けました。

トヨタ

トヨタは2008年に、ベルギーでハイブリット車の広告で「Zero emissions low (CO2排出量ゼロの低さ)」という表現を使用しました。しかし、実際の数値などとの関連性が明示されていなかったため、グリーンウォッシュであると指摘が入り、結果トヨタは広告を取り下げました。

グリーンウォッシュの問題点

オレンジの背景の前にあるエコな商品

グリーンウォッシュの最大の問題点は、消費者に対して誤解を招く可能性があることです。グリーンウォッシュの主な問題点を3つ詳しく解説します。

消費者の判断を妨げる

環境に配慮しているかどうかは、消費者にとって商品を選ぶときの判断基準の一つになります。環境に配慮したエコな商品を選ぶことで、企業に対し環境問題への取り組みを促すことにつながるからです。しかし、グリーンウォッシュの商品やブランドが増えると、消費者はエコな商品か見分けるのが難しくなります。さらには、実際に環境に配慮した商品への信頼度も低くなってしまいます。

企業のイメージ低下に繋がる

環境に優しいとPRしていた商品がそうでなかったとき、その企業のイメージや信頼度は一気に低下します。企業側は利益も失うことになるので、誰にもメリットがない結果となります。グリーンウォッシュが意図的でなかった場合も同様です。消費者に誤解を与えるようなパッケージのデザインやPRの方法は避ける必要があります。

環境負荷を増やす危険性がある

環境に配慮しているかどうかは消費者が商品を選ぶときのポイントとなります。環境に優しいとアピールすることで、環境に良くない商品でも売れてしまう可能性があります。結果、環境負荷を増やす危険性があるのです。さらには、本当に環境に優しい商品が売れなくなってしまうことも可能性として考えられます。

グリーンウォッシュに惑わされないために

青い空と緑の木で自然が豊かな場所

消費者としてグリーンウォッシュに惑わされないようにするには、情報を鵜呑みにしないことが大切です。

曖昧な表現に惑わされない

商品やブランドを判断するときに、サスティナブルやエコ、グリーンといった曖昧な言葉や表現に惑わされないことが大切です。サスティナブルと表記されていても、リサイクル素材は一部のみで、それ以外は環境に優しくないものが使用されている場合があります。グリーンウォッシュかどうか判断できないときは、ウェブサイトなどで公表されている成分表の数値や製造過程を確認しましょう。

商品のパッケージだけで判断しない

商品パッケージのイメージだけで判断しないことも大切です。商品パッケージが環境に配慮しているような雰囲気だと、実態が伴っていない場合でもエコな商品であると判断しがちです。自然を感じられるものや社会に良さそうなデザインであっても、それだけで判断せず商品や企業の詳細を確認するようにしましょう。

知識を身に付ける

グリーンウォッシュに騙されないためには、判断するための知識も必要です。何が環境に良くて何が悪いのか知るだけでも、商品を選ぶときに役立ちます。また、グリーンウォッシュの事例も見ておくと、グリーンウォッシュの企業があるときに判断しやすくなります。

グリーンウォッシュを見分けるチェックリスト

水色の背景に縦に並んでいるチェックマーク

最後にグリーンウォッシュを見分けるチェックリストを紹介します。英Futerra社が発行した、グリーンウォッシュを防ぐためのガイド「Understanding and Preventing Greenwash:A Business Guide※」の中で記載されているグリーンウォッシュだと疑うべき10のサイン(チェックリスト)を表にまとめて紹介するので、商品やブランドを選ぶときの判断材料にしてください。

①曖昧な表現を使っている    明確なキャッチフレーズで見せかけのエコを騙ること。例:環境に優しい・エコフレンドリー
②グリーン製品の製造裏がある 製品自体はエコだったとしても、工場から大量の空気汚染物質が流れているなど。
③環境に良いイメージを与える画像や図を使用している     根拠もなく環境に良さそうとイメージを抱かせる画像が使われている 。例:工場の設備や備品から草花が咲いている画像            
④不適切な主張をしている         強調しているものの、全体の環境改善にはならないことなど。
⑤競合の中で一番であると主張している    事実ではなかったり、他の企業とほとんど変わらなかったりする場合が多い。            
⑥信頼できない         例:「エコフレンドリータバコ」などグリーン化することで、環境や身体に優しいと錯覚させる。        
⑦専門用語を多用している         科学者や専門家だけが分かるような用語や情報を羅列し、信頼度を高めようとする。
⑧第三者の機関からの認証を謳っている      第三者機関の認証に見せながら、実は自社で作った認証ラベルを使っていることもある。
⑨証拠がない         正しい情報に見せかけても根拠や証拠がない場合は注意が必要。        
⑩明らかに嘘をついている         捏造されたり、嘘の情報を並べていたりする可能性もある。

グリーンウォッシュに惑わされない消費者行動選択をしよう

大きな緑のカートと綺麗に陳列されている商品

グリーンウォッシュは、今後さらに増える可能性があります。消費者としてグリーンウォッシュを見抜く力を身に付けることが大切です。本記事で紹介したチェックリストを活用するなど、グリーンウォッシュに窓わされないよう普段から心掛けましょう。    

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