
- 食料問題・地球環境
- 2022.05.24
世界・日本のCO2排出量はどれくらい?環境に与える影響と削減へ向けた取り組み
地球温暖化に影響を与えるとされるCO2(二酸化炭素)は、先進国や新興国からの排出量が多くを占めています。そして現在、世界各国で排出削減に向けた取り組みが進んでいます。本記事では、CO2排出量の増加の原因と影響、世界・日本の排出量の推移、世界と日本の取り組みについて解説。また日常生活で個人ができる取り組みについても紹介します。
INDEX
- CO2排出量の増加の原因と環境に与える影響
- 原因:人間の活動によりCO2排出量が増加
- 影響:地球温暖化が進行
- 世界のCO2排出量と解決策の取り組み
- 世界のCO2排出量(2018年)
- 国別の一人当たりのCO2排出量(2018年)
- 世界のCO2排出量の推移
- 世界のCO2排出削減への取り組み
- 日本のCO2排出量と取り組み
- 日本の排出量と推移(2018年)
- 日本の一人当たりのCO2排出量と推移(2018年)
- 日本のCO2排出削減への取り組み
- CO2排出量削減のために個人ができる取り組み
- 冷暖房の設定温度や使用時間を変える
- 使わない電化製品の主電源を切る
- シャワーの時間を減らす
- 自動車の利用は控える
- エコバッグを利用し、ゴミを減らす
- 生産過程でCO2排出量が少ない食品を選ぶ
- 個人でできるCO2排出量削減への取り組みを始めよう
CO2排出量の増加の原因と環境に与える影響

人間の活動によるCO2(二酸化炭素)排出量の増加が地球温暖化に影響を及ぼしています。まずは、CO2の排出量増加の原因とその影響について詳しく解説します。
原因:人間の活動によりCO2排出量が増加
CO2の排出量の増加は人間の活動によるものが大きいとされています。産業革命以降、石油や石炭などの化石燃料が使われるようになり、加速的にCO2の排出量が増加してきました。さらに、CO2を吸収固定する森林面積の減少も要因の1つ。農地への転用や燃料用木材のための伐採、森林火災などにより、森林面積が減少しているのです。
影響:地球温暖化が進行
温室効果ガスの排出量の増加が、地球温暖化の進行へ影響を与えていると言われています。温室効果ガスのなかで最も多い排出量を占めるのがCO2。地球温暖化により気温が上昇することで、海面上昇や異常気象の頻発、砂漠化などが起こり、農作物の生育にも影響が及んでいます。
温室効果ガスや地球温暖化の影響については、こちらの記事で詳しく解説しています↓

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世界のCO2排出量と解決策の取り組み

世界におけるCO2の排出量は、先進国や新興国からの排出量が多くを占めています。ここでは、世界の排出量と推移、世界で行われている削減に向けた取り組みについて紹介します。
世界のCO2排出量(2018年)
2018年の国別の排出量を見ると、CO2排出量が最も多い国は中国で、年間95億t(トン)以上が排出され全世界の30%近くを占めています。次いでアメリカが約50億t、約11億tで5番目に多い国が日本です※。先進国の一人当たりに排出されるCOの量は、新興国を大きく上回ります。
※EDMC/エネルギー・経済統計要覧2021年版
世界のCO2排出量 約335億t 主要国のCO2排出量と割合、各国一人当たりの排出量の比較(2018年)
|
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---|---|---|---|---|
順位 | 国名 | 排出量(百万t)* | 割合(%) | 一人当たりの排出量(t)* |
1 | 中国 | 9,528 | 28.4 | 6.8 |
2 | アメリカ | 4,921 | 14.7 | 15.1 |
3 | インド | 2,308 | 6.9 | 1.7 |
4 | ロシア | 1,587 | 4.7 | 11.0 |
5 | 日本 | 1,081 | 3.2 | 8.5 |
6 | ドイツ | 696 | 2.1 | 8.4 |
7 | 韓国 | 606 | 1.8 | 11.7 |
*排出量はエネルギー起源のCO2
国別の一人当たりのCO2排出量(2018年)
一人当たりのCO2排出量だけで見てみると、化石燃料を生産している国、または多く消費している国が上位にあがっています※。
※環境省
主な国別一人当たりエネルギー起源CO2排出量(2018年) 世界平均 約4.42t | ||
---|---|---|
順位 | 国名 | 一人当たりの排出量(t)* |
1 | カタール | 31.27 |
2 | アラブ首長国連邦 | 19.99 |
3 | オーストラリア | 15.32 |
4 | カナダ | 15.25 |
5 | アメリカ | 15.03 |
6 | サウジアラビア | 14.59 |
*排出量はエネルギー起源のCO2
世界のCO2排出量の推移
CO2は、1970〜2010年の期間、一貫して増加を続けてきました。過去20年間のCO2排出量の増加は、4分の3以上が工業化に使用された化石燃料(石炭・石油など)の燃焼によるものです。日本を含む先進国からの排出量が大きな割合を占めています。
ただし、2013年から2017年までの世界のCO2排出量の推移を見ると、トルコの排出量増加率が32.8%と最も多く、続いてインドネシアが18.8%、インドが16.5%と新興国での増加率が高い傾向があります。一方、先進国では減少傾向にあり、イギリスが-19.7%、日本が-8.2%、ドイツが-5.9%となっています※。
これはエネルギーを大量に消費して製造する工場を先進国から別の国へ移転したことなどが理由のひとつで、先進国での排出量が減ってはいますが、世界全体で見た場合のCO2排出量は、むしろ増加傾向にあります。
※経済産業省エネルギー庁
世界のCO2排出削減への取り組み
2015年には、温暖化対策の国際的な枠組みとして「パリ協定」が採択され、次のような目標が掲げられました。
▶世界における平均気温の上昇を、産業革命以前と比べて2℃よりも低く保ち、1.5℃に抑えるよう努力をすること
▶可能な限り早く温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半までには温室効果ガス排出量と吸収量のバランスをとること
「パリ協定」は、2020年1月から運用が開始されていますが、先述したように先進国では減少傾向にあっても新興国で増加しています。先進国と新興国が協力しあって、CO2排出削減に取り組むことが求められています。
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日本のCO2排出量と取り組み

2018年の世界におけるCO2排出量で、5番目に多いのが日本です。次に、日本のCO2の排出量と推移、削減へ向けた取り組みについて紹介します。
日本の排出量と推移(2018年)
1990年以降、CO2の排出量の上昇が続きましたが、近年では排出量が13億t以上あった2013年をピークに減少傾向にあります。2018年度の日本の温室効果ガスの総排出量は12億4,000万t。そのうち約91%がCO2で11億3,800万tにも昇り、きわめて高い割合です。2018年度は1990年度比で-2.2 %、2005年度比では-12.0%、2013年度比では-13.6%と減少しています※。
※国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス
日本の一人当たりのCO2排出量と推移(2018年)
2018年度の一人当たりのCO2排出量は約9tあり、10tを超えていた2013年をピークに減少傾向にあります。1990年度比で-4.4%、2005年度比で-11.1%、2013年度比では-12.9%と減少しています※。
※国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス
日本のCO2排出削減への取り組み
日本は2030年までに温室効果ガスの排出を2013年度比で26%削減することを中期目標に掲げ、長期的な目標として2050年までには「カーボンニュートラル」を目指しています。2021年4月の「気候変動サミット」では、2030年までに2013年度水準から46%削減することを宣言。日本では、発電時に多くのCO2が排出されていることから、エネルギー起源のCO2排出削減に向けての取り組みを進めています。
CO2排出量削減のために個人ができる取り組み
個人でできるCO2の排出量削減への取り組みは、家庭での電気や自動車の使用を控えること、CO2排出に配慮した商品を購入することなどです。家庭で排出されるCO2は、2018年で照明・家電製品などが29.8%、自動車の使用が26.4%を占めています※。ここでは、CO排出量削減のために個人でできる取り組みを詳しく紹介します。
※国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス
冷暖房の設定温度や使用時間を変える

冷房の設定温度を1度上げて暖房を1度下げること、使用時間を減らすことでCO2排出量が削減できます。太陽光が入らないようカーテンを閉め、クール・ウォームビズなどを取り入れましょう。
使わない電化製品の主電源を切る

使わない電化製品は主電源を切ったり、コンセントを抜いたりして、待機電力を減らすこともCO2排出量を抑えるのに有効です。買い替えの際は、省エネタイプの製品を意識して選びましょう。
シャワーの時間を減らす

体を洗う時にはシャワーの水を流しっぱなしにせず、時間を短縮しましょう。家族が多い場合、湯船にためて使うとよりCO2削減につながります。
自動車の利用は控える

通勤時や買い物の際に公共交通機関や自転車を利用したり、短い距離の場合は歩いたりして、自動車の利用は控えると、CO2排出削減につながります。
エコバッグを利用し、ゴミを減らす

いつもエコバッグを持ち歩き、レジ袋の使用をやめることでもCO2削減に貢献できます。ゴミの量が増えないように、リサイクルや省包装の商品を選ぶことも大切です。
生産過程でCO2排出量が少ない食品を選ぶ

生産される時にCO2排出量が少ない食品を選ぶことも、個人でできることの1つです。国連の報告によると、世界の温室効果ガス排出量のうち、14.5%は畜産によるものとされています。この問題に対する解決策として肉の代わりのタンパク源として食用コオロギが注目されています。その飼育過程で排出される温室効果ガスは、牛の28分の1、豚の11分の1と報告されています※。
※FAO(国連食糧農業機関)の報告書より
「C. TRIA(シートリア)」の食用コオロギ粉末を使用した食品は、カレーやパン、クッキーなど、気軽に食べられる商品がそろっています。
その他の「C.TRIA(シートリア)」シリーズは、こちらから購入できます↓

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個人でできるCO2排出量削減への取り組みを始めよう

世界のCO2排出量は、日本を始めとした先進国や新興国からの排出量が大きな割合を占めています。世界各国でCO2削減への取り組みが始まっていますが、私たち個人が意識して取り組むことが大切です。地球温暖化の進行を抑えるためにも、まずは、簡単なことから始めてみましょう。