
- 食料問題・地球環境
- 2021.12.22
食品ロスの原因とは?食品ロスを減らすために家庭でできること
たびたび問題として取り上げられるようになった「食品ロス」。なぜ食品ロスが発生するのか、疑問に感じている人もいるでしょう。農林水産省の調べによると、現在日本人は1人あたりお茶碗1杯分の食品を毎日捨てていると言われています。
食品ロスが大量に発生する原因や、家庭でできる食品ロス削減に向けた取り組みについて紹介します。
INDEX
- 食品ロスとは?
- 食品ロスの定義
- 日本と世界の食品ロス
- 家庭で発生する食品ロスの3つの原因
- 買い過ぎや保存ミスによって食材を廃棄
- 作り過ぎや好き嫌いによる食べ残し
- 調理ミスや過度な健康志向による過剰除去
- 小売店や飲食店で発生する食品ロスの原因
- 注文しすぎによる食べ残し
- 3分の1ルールによる廃棄
- 作り置きによる廃棄
- 家庭でできる食品ロスを減らす取り組み
- 食べ残しを減らす
- 過剰除去を減らす
- フードドライブを利用する
- 小売店・飲食店の食材や調理済み食品の廃棄を減らす
- 食品ロス削減に貢献している製品の消費も効果的
- C. TRIA ブレッド
- C. TRIA クッキー
- 今日から意識を変えて食品ロス削減に繋げよう
食品ロスとは?

食品ロスの定義
食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。食べ残してしまったものや、賞味期限が切れてしまったもの、規格外の食品など、日本はもちろんのこと世界の先進国を中心に食品ロスは大きな問題となっています。
一方で世界では9人に1人の割合で栄養不足が発生しており※、人口増加によって食糧危機も起きています。また食品を処分する際にエネルギー消費も膨大であることから、気候変動の側面から見ても食品ロスは解決すべき緊急の課題なのです。
※農林水産省の調査
食品ロスの基本情報についてより詳細に知りたい方はこちら↓

「食品ロス」とは? 問題点と削減に向けた日本の取り組み
日本人の多くは、数ある選択肢から好きな食品を選んで食べられる環境下で生活しています。でも、私たちが手に取らなかった食品は、どれだけ廃棄されているのかご存じでしょうか。…
日本と世界の食品ロス
現在、世界では年間13億tの食品ロスが発生しています※1。一方、農林水産省によると、日本の食品ロスは年間約570万tです。日本の食品ロスは、小売店や飲食店で発生する「事業系食品ロス」と家庭から出る「家庭系食品ロス」の2種類があり、事業系食品ロス309万t、家庭系食品ロス261万tが発生しています。これは国民1人あたり毎日お茶碗一杯分(132g)のご飯を捨てていることになり、年間47kg分の食品を捨てている計算になるのです。
食品ロスを処理する廃棄コストは年間2兆円にも上り※2、廃棄には温室効果ガス問題や埋め立て問題も起きています。多くの企業が食品ロスを廃棄するためにお金をかけている現状もあります。
※1 国際連合食糧農業機関(FAO)の調査
※2 環境省の調査
家庭で発生する食品ロスの3つの原因

買い過ぎや保存ミスによって食材を廃棄
家庭系食品ロスの原因としてまず挙げられるのが、必要以上に買いすぎてしまって賞味期限・消費期限切れになったり、保存していることを忘れてしまって気づいたときには食べられなかったりといった理由で食品を捨てるケースです。このような食品ロスは、とくに「直接廃棄」と呼ばれています。
特売品などで「安いから」と購入してしまい、期限までに食べ切れなかったことがある人もいるでしょう。また、災害用に保存食を買っておいたものの、そのまま賞味期限が切れてしまうというケースも多いようです。
作り過ぎや好き嫌いによる食べ残し
「料理を作り過ぎて、全部食べ切れなかった」「好き嫌いをして、嫌いなものを捨ててしまう」というケースも家庭系食品ロスの原因です。
捨てるつもりはなくても、休日に作り置きをし、食べ切る前に腐らせてしまったり、その存在を忘れてしまったりすることが食品ロスにつながるのです。
調理ミスや過度な健康志向による過剰除去
「目を離しているうちに料理を焦がしてしまった」「味付けミスをした」など、食品が無駄になるケースも、食品ロスの原因として挙げられます。「分量を確認せず調理したら、大失敗した」という経験がある人もいるのではないでしょうか。
また、健康を考えて、肉の脂身や野菜や魚の皮を取り除いてしまっていないでしょうか。これらは「過剰除去」と呼ばれ、食品ロスの大きな原因として問題視されています。
小売店や飲食店で発生する食品ロスの原因

注文しすぎによる食べ残し
飲食店で発生する事業系食品ロスの原因の1つが、お客さんによる注文のしすぎによる食べ残しです。
「あれもこれもおいしそう!」「みんなでシェアするなら…」とたくさん注文したものの、お腹いっぱいになって食べられなくなった経験が、一度はあるのではないでしょうか。またおいしそうと思って注文したものの、好みに合わなかったということもあるでしょう。
3分の1ルールによる廃棄
卸売業者や小売店の中にある日本独特の「3分の1ルール」も、食品ロスにつながっています。
3分の1ルールとは、「食品の賞味期限までの期間を3等分し、卸売業者は最初の3分の1の期間中に小売店に納品しなければならない、小売店は次の3分の1の期間中に販売しなければならない」という商習慣を指します。特に法律で決まっているわけではなく、「賞味期限ギリギリの食品を売っている」というイメージダウンを防ぐための業界暗黙のルールです。しかし、この3分の1ルールを適用すると、納品できない商品や販売できない商品が発生し、食べられる食品を捨てざるを得なくなってしまうのです。
作り置きによる廃棄
飲食店では、注文されてすぐに提供できるように作り置きを行っているお店も少なくありません。
お店側にとっては作り置きをすることで効率よく業務ができるうえ、提供遅れによるクレームも防げます。しかし、食品の多くは調理することにより、消費期限が早まります。過剰に作り置きを作ってしまうと、提供しないまま廃棄せざるを得なくなり、大量の食品ロスを出してしまうことになるのです。
家庭でできる食品ロスを減らす取り組み

家庭で食品の廃棄を減らす第一歩は、まず必要な量の食材を購入することから始まります。買い出しをするときは、冷蔵庫内を確認して、同じ食材を買わないようにしましょう。買い物に行く前に、必要なものをリストアップしておけば無駄が省けます。普段から冷蔵庫や棚の中を整理して、食品の存在を忘れないように工夫することも効果的です。
3分の1ルールがあるため、買い物のときは、できるだけ棚の手前から取る癖をつけ、できるだけ早く消費するように心がけましょう。
また、賞味期限と消費期限の違いを理解して、賞味期限が過ぎたからといってすぐに捨ててしまわないようにしましょう。適切な保存方法や保存場所を守れば、食材が長持ちして、たとえ賞味期限が切れても、食べやすくなります。
食べ残しを減らす
食べ残しを減らすための基本は、食べられる量だけを調理することです。家庭で作りすぎたときは、食卓に並べる前に取り分けて、翌日分にしたり冷凍したりして、傷まないように保存する習慣をつけましょう。また、好き嫌いをなくすことも、食べ残しを減らすためには大切です。
もちろん外食するときも、食べられる量だけを注文しましょう。飲食店での食事は会話が弾んで残してしまう人も少なくありません。「最初の30分と最後の10分は食事を楽しむ」ということを意識する30・10運動を心がけると、食べ残しを減らすことができます。食べ残してしまった場合は持ち帰りが可能か確認し、可能であればドギーバッグで持ち帰りましょう。
過剰除去を減らす
調理ミスによる過剰除去を減らすために、レシピをしっかり確認して失敗がないように調理しましょう。
野菜や魚の皮などを捨てている人もいるかもしれませんが、食材によっては皮の近くに豊富な栄養があることも多いです。また、捨ててしまいがちな野菜の芯や肉の脂身、鶏皮、魚の血合いなども、調理法を工夫すれば美味しく食べられます。インターネットやレシピ本で料理方法を調べて、実践してみましょう。
フードドライブを利用する
フードドライブとは家庭で余っている食べ物を持ち寄って、学校や福祉施設、フードバンクなどに寄付することです。フードドライブを利用すれば、余った食品を捨てるのではなく、必要としている人に届けられます。
近年、スーパーや自治体のイベントなど身近なところで、フードドライブが行われることも増えてきました。定期的に家庭にある食材を見直して、余っているものは寄付してみてはいかがでしょうか。
小売店・飲食店の食材や調理済み食品の廃棄を減らす
小売店・飲食店での食品ロス削減のために利用したいのが、フードシェアリングサービスです。
フードシェアリングサービスとは、小売店・飲食店で使わなかった食材、売れ残った食材を消費者とマッチングさせるサービスのことを指します。小売店・飲食店にとっては廃棄を減らすメリットが、消費者にはお得に食材や食品を購入するメリットがあります。
食品ロス削減に貢献している製品の消費も効果的

食品ロスは毎日発生している大きな問題ですが、その原因さえ分かれば、無駄が出ないよう対策・発生抑制が可能です。家庭や小売店・飲食店が少し意識を変えるだけで、食品ロス削減につながります。この記事を参考に、ぜひ今日から実践してみましょう。
食品ロスを減らし、環境づくりに配慮した食品も実際に販売されています。製造過程で食品ロス削減に配慮した食品を選ぶことも、食品ロスを減らす手段のひとつです。食品ロスによる社会問題解決に向けて、さまざまな角度から食品ロスに取り組んでみましょう。
たとえば、食用のコオロギによる未来のフードを販売しているグリラスでは、食品ロス削減につながる商品「C. TRIA(シートリア)」を販売しています。
C. TRIA ブレッド
コオロギパウダーの香ばしさと深い旨味を楽しめる「C. TRIA ブレッド」に使われているコオロギは、食品ロスをエサとして育てられています。イザーロール・高菜フランス・くるみチーズ・大豆粉ロール・ごぼうフランス・こしあんフランスの6種類の味が楽しめます。
C. TRIA クッキー
ビターなココア味と、個性的なハーブ&ガーリック味を楽しめる「C. TRIA クッキー」は、コオロギの香ばしい風味を楽しめる商品です。使用されているコオロギは、食品ロスをエサにしているため、食品ロスの削減や環境負荷軽減に貢献することもできます。
↓その他の食品ロス削減に貢献できる商品はこちら↓

Gryllus Online - グリラスオンライン|グリラス公式通販
グリラス公式オンラインストア。フードロスからコオロギを育て新たなタンパク質を生み出すサーキュラーフードブランドC. TRIA(シートリア)を展開中。「未来の循環食」を是非お楽しみください!
今日から意識を変えて食品ロス削減に繋げよう
食品ロスは毎日発生している大きな問題ですが、その原因さえ分かれば、無駄が出ないよう対策・発生抑制が可能です。家庭や小売店・飲食店が少し意識を変えるだけで、食品ロス削減につながります。この記事を参考に、ぜひ今日から実践してみましょう。
食品ロスにつながるサーキュラーフードについてはこちら↓

サーキュラーフードが救う、他人事じゃない食品ロス問題と私たちの健全な生活
農林水産省のデータによると、日本の食品ロスは年間570万tにも及ぶといいます(取材当時)。本来、食べられるはずなのに捨てられているたくさんの食品たち。私たちひとり一人ができることはあるのでしょうか。 …