食育とは?子どもが食を学ぶ重要性と上手に実践するポイント

食育とは?子どもが食を学ぶ重要性と上手に実践するポイント

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日々、お子さんに「食の大切さを教えたい」「好き嫌いせず食べて欲しい」と食育について考えている親御さんも多いのではないでしょうか。

今回は、食育の重要性と食育を実践するときのポイントをまとめて紹介します。食育について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

INDEX

食育とは

「食育」とは、さまざまな経験を通じて、子ども達が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることを目的とした教育です。

農林水産省では、食育を「生きるための基本であり、知育・徳育・体育の基礎となるもの」と定義しているように、食べることは、生きる上での基盤といえます。栄養バランスが偏った食生活や朝食を食べない生活などを防ぎ、正しい食生活を送れるよう、学校教育で食育が取り入れられています。

また、近年は、食べ残しや食品廃棄による食品ロス削減も食育のテーマとして扱われるようになってきました。

食育の重要性とは?食育で身につけること

食べ物への感謝の心

食育では、「いただきます」「ごちそうさま」に込められている食への感謝の気持ちが身につきます。

例えば、農業や漁業などに触れると、食生活は自然の恵みなしでは成り立たないことに気づきます。また、食品は市場や小売業者などの経路を経て、自分達の手元に届くことを学べば、多くの人々の努力があってこそ食事ができることを知るでしょう。

自然や食料生産などに関わる人々への感謝の気持ちを持つことは、食べ物を大切にし、食べ残さない意識や食習慣につながります。

好き嫌いのない栄養バランスの取れた食習慣

食育は、食事の献立を考えたり、食材を選びながら調理したりすることで、栄養バランスを考えるきっかけにもなります。

献立は、米や穀類で炭水化物をとる「主食」、タンパク源となる肉や魚、大豆を使った「主菜」、野菜類やイモ類、きのこ、海藻などでビタミン類をとる「副菜」の3種類で成り立っているのが理想です。これらの栄養バランスを意識することで、好き嫌いではなく、まんべんなく栄養を摂取できる献立を考えられるようになるでしょう。

食に関する正しい知識は、子どもが将来、自分の子を持ったときにも役立ちます。

食事のマナーや協調性・社会性

家族や友人など、複数人で食事をすると社会性や協調性が身につきます。食事の際の手洗いや、配膳の仕方、食器の並べ方、片付け、食事中の姿勢やマナーなどは、実際に自分でやってみてはじめてできるようになります。また、他の人と一緒に会話をしながら楽しく食事することは、コミュニケーション力向上にも役立つでしょう。

どうしても1人で食事をとらざるをえない家庭環境であっても、学校の友人や地域の人達と一緒に食事をすることで、食育の効果は十分に得られます。

心身の健康

健康的な心と身体づくりには、必要な栄養素をまんべんなく、適量とることが大切です。栄養バランスが優れた食事は、筋肉を形成し、脳の働きに必要な酸素を運びます。そのため、脳や筋肉の動きが良くなり、体力の向上につながります。

また食事はコミュニケーションの場となるため、1人ではなく誰かと食事をとることで、情緒が安定する効果も得られます。そして朝食をとる子どもは学力が高いという調査結果があるように、心身が健康な状態になれば、学力の向上も見込めることがわかっています※。

※文部科学省「平成29年度全国学力・学習状況調査」

安全な食品を選択する力

輸入野菜の残留農薬問題や国内における無登録農薬の使用、そして食中毒の被害について知ることで、安全な食品を選ぶ力を身に着けられます。

日本で流通している食品は、国産・海外産問わず、同じ基準で安全性を確保しているため、輸入食品を過剰に恐れる必要はありません。しかし、近年、輸入食品の異物混入や食中毒、食品衛生法違反など食に関する事件がたびたび発生しているため、食の安全を意識することは大切です。

地域の産物や食文化の理解

食育は、食はもちろん、地域の自然や文化などに対する理解を深めることにも役立ちます。その土地で採れる農作物や海産物、畜産物などを使った料理を食べることで、郷土愛が育まれます。そのため、地域によっては、伝統的な食文化を子ども達へ継承するために、学校給食の献立に郷土料理を取り入れる取り組みも行われています。

郷土愛が育まれることによって、地域のコミュニティー活性につながり、地域そのものを守ることにもつながります。

食育のために行われている取り組み事例

学校・保育所における食育の推進

子ども達が教育の場で食に関する知識を身に着けられるよう、文部科学省では、食事バランスガイドなど指針の策定や栄養教諭による食の指導に取り組んでいます。

例えば、学校給食は1日に必要な栄養素のおよそ3分の1を摂取でき、家庭での食事では不足しがちな栄養素を補える献立が作られています。また、家庭で不足しがちな栄養素を補うメニューや薄味の習慣化、脂肪を多くとりすぎないようにする意識づけなど、生活習慣病などの予防にも配慮しています。

保育園などで実施される、ヨモギ摘みとヨモギ団子づくりや芋ほり、調理実習なども食育の取り組みの1つです。自然に触れたり自分達で食事を作ったりすることで、子どもの感性を育てます。

栄養士向けの指導者育成研修会の開催

農林水産省では、栄養バランスが取れた食事を推進すべく、指導者向けの研修会などを実施しています。

活動の1つにあるのが、日本栄養士会や日本高血圧協会が連携した「乳和食」の栄養士向け指導者育成研究会の開催です。乳和食とは、和食に牛乳・乳製品を使用した減塩を目的とする調理法で、カルシウム不足や動物性タンパク質不足の改善にも有効です。

また、栄養バランスの良い食事「日本型食生活」を推進しています。日本型食生活の内容は、米を主食とし、主菜と副菜に適量な牛乳・乳製品や果物を加えたもので、わかりやすくいうと日本の昔ながらの食事スタイルです。外食やレトルト食品利用が多い若い世代向けに、日本型食生活を手軽に実践できる情報を発信しています。

家庭で食育を実践するポイントは

食育の大切なポイントは、日常生活の中で口にする食べ物が食卓に上るまでの間に、食べ物が誰の手によって作られ、運ばれているのかを身をもって知ることです。実際に体験することで、食への興味も湧くでしょう。

ここからは、家庭で食育を実践するときに押さえたい3つのポイントをご紹介します。

現場を知ろう

最初のポイントは、食品の生産や流通の現場を見て体験することです。全国各地で実施されている農業体験や漁業体験、食品工場見学などに参加すると良いでしょう。食品工場や市場を見学して、自分達の手元に食品が届くまでの工程を学びます。農作物を栽培する・海産物を漁獲する・食品の出荷現場を見るなどの体験をすることで、食べ物や食事に対する意識が高まるでしょう。

リアルな体験を通じて、生産者への感謝や食べ物を大切にしようとする気持ちが育まれます。

食料自給率を知ろう

食べ物を海外の輸入から頼っていると、国際社会の状況によっては食料危機に陥る可能性があります。普段の生活で意識することは少ないかもしれませんが、食料自給率について知ることも大切です。

日本の食料自給率はカロリーベースで約38%。残りの約62%は海外からの輸入によるものです。スーパーなどで子どもと一緒に買い物をするときには、産地を見て、輸入食品の多さを目にする機会を作ると良いでしょう。

食料自給率を上げるためには、国内生産の食べ物や地元で採れた食材を選ぶことが大切です。日本の食材の名産地についてクイズ形式で遊びながら学んだり、その土地ならではの特産品を知るために道の駅で買い物をしたりすると、楽しく知識を身につけられます。

食料自給率について詳しくはこちら↓

食品ロスを知ろう

近年問題になっている食品ロスによる悪影響を子ども達に伝えれば、将来的に食品ロス削減が期待できます。

食品ロスとは、食べられるのに廃棄されてしまう食品のこと。先進国では食べ物が捨てられている一方で、世界には食料不足で苦しむ人々も存在します。また、食品ロスで出たゴミを廃棄する際に排出される温室効果ガスは、気候変動の原因として問題になっています。

これらの現実に向き合い、自分達1人ひとりの行動が食品ロス削減に貢献できることや、地球環境を守る意義を伝えましょう。野菜の皮や食べ残しなど、家庭内で発生する食品ロスの量を見るのもおすすめです。また、余った食材をフードドライブへ寄付すると、食べ物を大切にする心が養われます。

食品ロスの原因について詳しくはこちら↓

食育は子どもの将来的な健康にも影響を与える

子ども時代に学び、身についた食に対する考え方や習慣は、大人になってからなかなか変えることができません。そのため、子どものときに健康的な食事を習慣化したり、食べ物を大切にする心を育てたりすることが大切といえます。また、栄養バランスの取れた食事は、心身の健やかな成長に欠かせません。

食育は、保育園や学校教育などでも取り入れられていますが、子ども達にとっては、それらは「特別」な体験です。「日常」のひとつである家庭での食事に食育を取り入れれば、食に関する知識や良い食習慣が自然と身につくでしょう。

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