フェアトレードとは? 意味や始まった背景、商品などを知ろう

フェアトレードとは? 意味や始まった背景、商品などを知ろう

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フェアトレード認証がついた商品を見たことがある人という人は多いはず。しかし、フェアトレード認証の仕組みまで、正確に知っている人は少ないのではないでしょうか。フェアトレードという言葉の意味から認証制度が始まった背景、商品の見分け方まで詳しく紹介します。

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フェアトレードとは?

フェアトレード(Fair Trade)を日本語に直すと、Fair=公正な、Trade=貿易。つまり公正な貿易のこと。フェアトレードとは、発展途上国との貿易において公正な取引をし、途上国の人々の生活を助けるしくみです。

日本では、途上国で生産された日用品や食料品が非常に安い価格で売られていることがあります。しかし、生産国である途上国ではその安さを生み出すため、生産者が不当な賃金で雇われたり、児童労働などが行われたりしていることがあります。それだけでなく、生産効率を上げるため過剰に使用される農薬によって環境が破壊されたり、そこで働く人々の健康に害を及ぼしたりといった事態も起こっています。

品質の良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境の整備や生活水準の保証が必要です。また、自然環境に配慮した持続可能な方法で生産することも欠かせません。フェアトレードは、発展途上国の製品や製品の原料を正当な価格で継続的に購入することで、社会的立場の弱い労働者の生活を守り、自立を目指す貿易のしくみなのです。

アンフェアな取引の背景には植民地の歴史がある

フェアトレードが生まれた背景には、16世紀以降のヨーロッパによる南米・アジア・アフリカの植民地の歴史があります。当時ヨーロッパ諸国は、現地の人や奴隷を大規模な農園「プランテーション」で働かせ、輸出用のタバコや綿花、サトウキビなど市場価値の高い作物を大量に生産し、莫大な利益を得ていました。

南米諸国は19世紀に、アジア・アフリカ諸国は第二次世界大戦以降に独立しますが、これらの国々は独立しても経済力が弱かったため、植民地として支配されていた頃と同じように市場価値の高い作物の輸出を続けました。輸出先は自国を植民地として支配していた国であったため、独立後も半植民地のような状態が続き、今日に至っているのです。

児童労働にも直結する問題である

フェアトレードの重要性が叫ばれている理由の一つには、児童労働の問題が解決されないことがあります。発展途上国の児童労働の数は約1億5,200万人といわれており、世界の子どもの10人に1人にあたります。フェアトレードで生産者が正当な賃金を得れば、子どもを働かせなくても済みます。

特に問題視されている産物は?

特に問題視されている産物はどのようなものがあるのでしょうか。具体的に紹介します。

1.国際市場で買取価格が決まるコーヒー豆

コーヒー豆の生産国のほとんどは、発展途上国です。しかしコーヒー豆の買取価格は、発展途上国から遠く離れたニューヨークとロンドンの国際市場で決められています。国際市場は、短期的な値上がりのタイミングを狙い資金を投じる投機マネーなども流入するので、高騰と暴落が繰り返され価格が激しく変動します。小規模農家たちの多くは、市場の動向が分からず販売手段も持たないため中間業者に頼らざるを得ない状況にありますが、それゆえに十分な収入を得られていません。

2.児童労働の温床となっているカカオ豆農園

前述の通り、発展途上国が抱える問題の一つに児童労働があります。その温床の一つとして明らかになっているのが、カカオ豆の農園。途上国では、1,400万人の人たちがカカオ豆の生産で生計を立てているといわれています。値動きの激しい国際市場価格に対し、生産者が正当な対価を得られていないことも原因の一つとなっています。

3.生産者の健康被害が深刻なコットン製品

発展途上国にとってコットンは、国の経済を支える重要な輸出品です。しかし、発展途上国の多くのコットン生産者は、生産コストすらまかなえない厳しい状況を強いられています。また、コットンの栽培時に使用される農薬で生産者に健康被害が及んでいる問題も深刻化しています。世界で使用される殺虫剤の約16%、そして農薬全体の約10%がコットン農場で使われているという報告もあるほど。国際的には使用が禁止されている危険な農薬も発展途上国では未だに使用されており、環境破壊や生産者の中毒死などを引き起こしています。

※…PESTICIDE ACTION NETWORK, 2007

4.安い賃金で売買されている手縫いのスポーツボール

実は、世界のサッカーボールの70%以上がパキスタンで作られており、その多くは手縫いで作られています。しかし生産者の労働賃金は低く、児童労働の温床になっていることが1990年代に明らかになりました。インドでは約1万人、パキスタンでは約7,000人の児童労働が指摘されています。

5.低賃金で健康被害の多い切花生産

世界の切花のほとんどは大規模なプランテーションで生産されていますが、そこで使用される農薬や汚水が適切に処理されず、環境が破壊されています。また、農薬を散布する生産者に十分な防護服が提供されないことから健康被害を引き起こしたり、低賃金で働かされたりといった問題が指摘されています。

6.植民地時代の影響が色濃く残る茶葉生産

お茶は、水に次いで世界で最も飲まれている飲料です。インド・スリランカ・東アフリカ諸国は世界有数の茶葉の生産国ですが、茶園のほとんどはイギリスの植民地時代に造られたものです。現在でも世界の茶葉は大規模なプランテーションで生産されており、小規模茶園の生産者はごく少数。 茶園で働く労働者を低賃金で雇ったり、労働環境が劣悪であったりする問題は、近年の茶葉の市場価格が下落したことによりさらに悪化しているといわれています。

基準を満たすと表示できる「国際フェアトレード認証ラベル」

発展途上国のこうした状況を踏まえ、フェアトレードの明確な基準を設定し、基準を満たした製品にラベルを貼付してフェアトレードであることを分かりやすく伝え、広めていこうという目的のもとに誕生したのが、国際フェアトレード認証ラベルです。

国際フェアトレード認証ラベルは、原料が生産されてから「フェアトレード認証製品」になるまでの輸出入・加工・製造などの各工程において、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が定めた国際フェアトレード基準が守られていることを証明しています。

国際フェアトレード認証ラベルには、非認証原料を含む製品には矢印が付いたロゴ、タブに記載されている原料のみを認定している商品を示す白いロゴなど、数種類のロゴがありますが、上記のマークがついたものは、認証原料100%からなる製品であることを証明しています。

国際フェアトレード基準とは

国際フェアトレード基準は、国際フェアトレードラベル機構によって設定される基準であり、基準委員会とフェアトレードに参加する生産者や貿易業者などによって、定期的に見直されています。

基準は、「生産者の対象地域」「生産者基準」と「トレーダー(輸入・卸・製造組織)基準」「産品基準」の3つで構成。基準は多岐にわたっていますが、すべての基準に共通しているのは、表の通り「経済」「社会」「環境」の三つの原則です。

経済的基準 社会的基準 環境的基準
・フェアトレード最低価格の保証・フェアトレード・プレミアムの支払い・長期的な取引の促進・必要に応じた前払いの保証など ・安全な労働環境・民主的な運営・差別の禁止・児童労働・強制労働の禁止など ・農薬・薬品の使用削減と適正使用・有機栽培の奨励・土壌・水源・生物多様性の保全・遺伝子組み換え品の禁止など

日本で購入できるフェアトレード商品

日本では、コーヒー・紅茶・カカオ・スパイス・ハーブ・バナナ・ワイン・オイルシード・油脂果物・食品その他・切花・コットン製品・サッカーボールなどに、認定マークが付けられている製品が販売されています。

コーヒーには、生産者の持続可能な生産と生活を支えるための「フェアトレード最低価格」が定められています。これにより輸入業者は、国際市場価格がどんなに下落してもフェアトレード最低価格以上を生産者組合に保証しなければなりません。

コットンにおいては、国際フェアトレード基準により、危険な農薬を禁止するだけでなくオーガニック栽培を奨励しています。これにより生産者へは価格の上乗せも保証されています。

サッカーボールでは、労働者に対する正当な賃金や安全な労働環境が保証されています。またボールの買取価格とは別に、ボール価格の10%が輸入業者から労働者の合同委員会に支払われる仕組みが設けられており、支払われたお金は生産地域の教育や福祉に役立てられています。この仕組みは茶葉にも同様に設けられており、地域の発展に充てられています。

フェアトレード製品の購入で社会貢献を

発展途上国から遠く離れた日本にいる私たちでも、フェアトレード製品を買うことで生産者の生活を支えることができます。これからはフェアトレードマークを探して購入してみてはいかがでしょうか。購入時に少し意識するだけで、SDGsの目標達成につながる行動になります。

SDGsや食育について詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください↓

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