
- 食料問題・地球環境
- 2022.04.11
地球温暖化を防止するには?一人一人にできる対策を考えよう!
地球温暖化を防止するためには、私たち一人一人のライフスタイルを見直すことが大切です。地球温暖化が進むと異常気象などが起こり、私たちの生活にも影響を及ぼします。この記事では、地球温暖化が起こる原因やメカニズムについて解説。一人一人ができる地球温暖化対策として、環境省の「ゼロカーボンアクション30」についても紹介します。
INDEX
- 地球温暖化はなぜ起こる?
- 地球温暖化が起こる原因
- 地球温暖化が起こるメカニズム
- 温室効果ガスが増える原因
- 地球温暖化の予測
- 日本における二酸化炭素の排出量
- 部門別の二酸化炭素排出量の割合
- 家庭から排出される二酸化炭素の量
- 一人一人ができる地球温暖化対策
- 1. 電気等のエネルギーの節約や転換をする
- 2. 太陽光パネル付き・省エネ住宅に住む
- 3. 二酸化炭素排出量の少ない交通手段を選ぶ
- 4. 食品ロスをなくす
- 5. サスティナブルなファッションを選ぶ
- 6. ゴミを減らす
- 7. 二酸化炭素の排出量が少ない製品やサービスを選ぶ
- 8. 環境保全活動へ積極的に参加する
- 地球温暖化防止のために、一人一人できることから取り組もう
地球温暖化はなぜ起こる?

地球温暖化が起こるのは、地球上の温室効果ガスの増加が関係しています。まずは、地球温暖化が起こる原因やメカニズム、温暖化が進んだ場合の予測などについて見ていきましょう。
地球温暖化が起こる原因
地球温暖化が起こる原因は、人間の活動で排出される温室効果ガスが空気中に増えているからだと言われています。人為起源の温室効果ガスには、二酸化炭素(CO2)・メタン・一酸化炭素・フロンなどがあります。なかでも最も多く排出され、地球温暖化への影響を大きく与えているのが二酸化炭素です。
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地球温暖化が起こるメカニズム
地球の温度は、温室効果ガスがなければ、-19℃ぐらいになると言われています。太陽の光は、地球の大気を通過し地面を暖めますが、その時に放射される熱を温室効果ガスが吸収し、温室のように大気を暖めているため、地球の平均気温が14℃前後に保たれているのです。
しかし、大気中の温室効果ガスの濃度が高まり、熱の吸収がさらに増えると平均気温が上昇してしまいます。この現象が地球温暖化です。
温室効果ガスが増える原因
温室効果ガスが増える原因は、主に人間の生活で排出される二酸化炭素の増加によるものです。二酸化炭素は、化石燃料(石炭・石油・天然ガスなど)を燃焼させることで多く発生しています。産業革命以降、化石燃料の使用が増え、大気中の二酸化炭素の濃度も増加し続けています。
実は、私たちの生活に欠かせない電気を作る時や、車に使用されるガソリンが燃焼する時にも二酸化炭素を多く排出しているのです。
地球温暖化の予測
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書(2014)によると、このまま温室効果ガスの排出量が増え続けた場合、最悪のシナリオで2100年の平均気温が最大4.8℃上昇すると発表されています。平均気温が上昇し続けると気候変動が起こり、海水面の上昇や氷河の減少、異常気象などさまざまな現象を引き起こすと言われています。
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日本における二酸化炭素の排出量

地球温暖化を防ぐには、私たちが生活する日本でどれくらい二酸化炭素の排出量があるかを知り、その排出量を減らすことが大切です。次に、日本における部門別の二酸化炭素排出量の割合と、家庭における排出量を詳しく紹介します。
部門別の二酸化炭素排出量の割合
2019年の日本における部門別の二酸化炭素排出量の割合を見てみると、間接排出量約11億794万tのうち産業部門が最も多い34.7%で、続いて運輸部門が18.6%、家庭からの排出は4番目に多い14.4%になっています。二酸化炭素排出量削減への取り組みは、企業よりも家庭の方が進んでいないと言われています。
家庭から排出される二酸化炭素の量
2019年の家庭から排出される二酸化炭素の割合を見てみると、世帯あたり約3,971kg/CO2あり、照明・家電製品などが約30%、自動車が約26%、暖房約16%、給湯約14%となっています。電気や自動車などの使用を減らすことが、二酸化炭素排出の抑制につながることがわかります。
一人一人ができる地球温暖化対策

地球温暖化対策として、一人一人のライフスタイルの転換が必要とされています。温室効果ガスの排出量を抑えるために、世界で脱炭素化に向けた取り組みが進められています。日本は、「2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現(温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること)」を宣言しました。
ここでは、環境省が公開している「ゼロカーボンアクション30」リストを紹介します。地球温暖化を防止するために、私たち一人一人ができることをチェックしましょう。
1. 電気等のエネルギーの節約や転換をする

家庭で使う電気は火力発電によるものが多いため、家庭での消費エネルギーを抑えることが、二酸化炭素の排出量を抑えることにつながります。以下のことを意識して、エネルギーの節約や転換をしましょう。
(1)二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーによって作られた電気へ切り替える
(2)クールビズ・ウォームビズを取り入れるなど、気候に合わせて服装を選ぶ
(3)こまめにスイッチをオフし、電気製品のプラグをコンセントから抜くなどして節電する
(4)こまめに水を止め、無駄な使用を少しでも減らす
(5)最新の省エネ化が進んだ家電を導入する
(6)宅配サービスをできるだけ一回で受け取ったり、宅配ボックス等を利用したりする
(7)スマートメーター導入によって、消費エネルギーの使用状況を確認する
2. 太陽光パネル付き・省エネ住宅に住む

太陽光で発電することによって、二酸化炭素の排出を抑えることができます。住宅を購入する際は省エネの設備が整った住宅を選んだり、リフォームの際には省エネ・畜エネ設備を設置したりしましょう。また、テレワークなど働き方に工夫をすることでも、移動やオフィスで使われるエネルギーを抑えられます。
(8)太陽光パネルを設置する
(9)住宅購入・新築の際は、ZEH(ゼッチ:年間の住宅のエネルギー消費量が正味でゼロとなる住宅)を選択する
(10)省エネリフォーム窓や壁等の断熱リフォームをする
(11)蓄電池(車載の蓄電池)・蓄エネ給湯器の導入や設置をする
(12)暮らしに木を取り入れる
(13)分譲も賃貸も省エネ物件を選択する
(14)テレワークやオンライン会議など働き方を工夫する
3. 二酸化炭素排出量の少ない交通手段を選ぶ

自動車の二酸化炭素の排出量は、家庭からの排出の約1/4を占めていると言われています※。自家用車の利用をなるべく控え、二酸化炭素の排出が少ない交通手段を選びましょう。
※環境省:スマートムーブ
(15)徒歩、自転車や公共交通機関など自動車以外の移動手段を選択したり(スマートムーブ)、エコドライブの実施、カーシェアリングを積極的に利用したりする
(16)再エネ電力・電気自動車(EV)・ プラグインハイブリッド車(PHEV)・燃料電池自動車(FCV)など二酸化炭素排出量がゼロの車を活用する(ゼロカーボン・ドライブ)
4. 食品ロスをなくす

食品ロスとは、本来は食べられるのにもかかわらず廃棄されてしまう食品のことです。廃棄された食品を焼却処理する際に二酸化炭素が排出されます。食品ロスによって排出される温室効果ガスの量は、世界全体の約8%を占めているのです※。
※国連食糧農業機関(FAO)「世界の農林水産 2014年夏号(通巻835号)」
農林水産省の調べによると、日本の食品ロスは年間570万tあり、そのうち約46%は家庭から出ていることがわかっています。家庭での食品ロスを抑えることが二酸化炭素の排出量を抑えることにつながるため、次のことを意識してみましょう。
(17)食べ残しをしない
(18)食材の買い物や保存等を工夫して食品ロスをなくす
(19)旬の食材や地元の食材で作った菜食を取り入れる
(20)家庭から出る生ゴミなどは自宅でコンポストにする
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5. サスティナブルなファッションを選ぶ

ファッション産業では、製造する際に使用される大量のエネルギーや短いライフサイクルなどが大きな課題となっています。環境省によると、衣服一着を製造する際に排出される二酸化炭素は約25.5kgです。二酸化炭素排出量を抑えるためにも、環境負荷の小さいサスティナブル(持続可能)なファッションを選びましょう。
(21)今持っている服を長く大切に着る
(22)長く着れる服をじっくり選ぶ
(23)環境に配慮した服を選ぶ
サスティナブルについては、こちらの記事で詳しく説明しています↓

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6. ゴミを減らす

プラスチックは石油などを原料とし、製造される際に二酸化炭素を排出しています。また、ゴミとして物を燃やす際も温室効果ガスが排出されます。資源・エネルギーの無駄使いを減らすことが地球温暖化対策につながるため、次のことに取り組んでみましょう。
(24)マイバッグ・マイボトル・マイ箸・マイストロー等を使う
(25)古くなったり壊れたりしたものは修理や補修をする
(26)物を捨てたり、増やしたりする前にフリマやシェアリングを利用する
(27)ゴミの発生抑制(リデュース)・再使用(リユース)・再生利用(リサイクル)の「3R」をする
7. 二酸化炭素の排出量が少ない製品やサービスを選ぶ

二酸化炭素の排出量を表示し、地球温暖化対策に取り組んでいる商品を選んだり、脱炭素経営に取り組む企業へ投資したりしましょう。
(28)脱炭素型の製品・サービスを選択する
(29)ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した企業に個人投資する
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8. 環境保全活動へ積極的に参加する

地球温暖化の現状を他人事ととらえず、個人の取り組みとして地域の環境活動などへ積極的に参加してみましょう。
(30)植林やごみ拾い等の地域の環境活動に参加する
地球温暖化防止のために、一人一人できることから取り組もう

地球温暖化を防止するには、大きな原因とされる二酸化炭素の排出量を減らす必要があります。一人一人がライフスタイルを見直し、二酸化炭素の排出を減らすことを意識して生活することが大切です。「ゼロカーボンアクション30」リストも活用しながら、できることから取り組みましょう。
カーボンニュートラルや国・企業の脱炭素への取り組みについては、こちらで詳しく説明しています↓

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