
- コオロギ・昆虫食
- 2021.12.22
世界で広がる昆虫料理の魅力とは。注目の昆虫7種の特徴&食べ方を紹介
昆虫食が持続可能な栄養源として注目を集め始め、テレビや雑誌でも取り上げられるようになってきた近年。虫を使った料理があることを耳にして、「どんなものだろう?」と興味を持った人もいるのではないでしょうか。昆虫料理の魅力や注意点、実際にどのような虫がどう調理され、どう食べられているのかみていきましょう。
昆虫が食材として注目される理由とその魅力

もともと日本には、「昆虫食」が根付いており、特に山間部では大切なたんぱく源として食されてきました。そんな昆虫食が今、世界中で注目を浴びています。昆虫食が普及すれば、畜産業拡大の影響による環境汚染や人口増加による食糧危機といった問題の解決が期待できるためです。
昆虫食は、高タンパクであるうえ、ビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含むため、未来のスーパーフードと言えます。加工もしやすいので、粉末などにしてパンやクッキーなど、さまざまな食品を生み出せます。また、昆虫を育てる際は、必要な水やエサ、排出される温室効果ガスの排出が少なく、牛や豚など従来の畜産業よりも環境への負担が軽くなります。
現代の昆虫食は、かつての食文化とは異なり、環境に配慮した地球の未来を守る新しい食文化なのです。
昆虫食について詳しく知りたい方はこちら↓

今なぜ「昆虫食」が注目されているの? 環境問題の解決を支えていく昆虫とは
近年、「昆虫食」が世界で注目を集めています。「そうは言っても虫を食べるなんて…」と思うかたは少なくないかもしれませんが、世界では日常的に食している国もありますし、日本でもかつては昆虫食がスタンダードだった時代があるのです。…
昆虫料理を楽しむための注意点

まず、昆虫は生食を避け火を通したものを食べましょう。とくに、野生の昆虫は細菌や寄生虫を有している場合があります。
そして、中には毒を持っている昆虫がいるため、安全性がわからない昆虫は食べないことも大切です。例えば、サソリなどは高温で長時間加熱すれば、毒が消えますが、ツチハンミョウ科の昆虫は「カンタリンイジン」という加熱しても消えない毒を持っています。
また、昆虫のなかには、甲殻類と類似成分を含むものもあるため、人によっては甲殻類アレルギーの症状が出る可能性があります。
どんな虫が食べられている?注目の昆虫7選

コオロギ
昆虫食の中で最もメジャーなものがコオロギで、東南アジアをはじめ、世界各国の広い地域で食べられています。低脂質で牛肉や卵よりも豊富にタンパク質を含んだ、とてもヘルシーな食品です。
味は、種類やエサによって少しずつ異なりますが、淡泊でクセがなく、エビや豆の風味に似ていると評されています。
唐揚げにして食べられているほか、コオロギパウダーとして粉末化した商品も販売されています。パウダーにすることで、スープやプロテインに混ぜて食べたり、パンやパスタ、リゾット、クッキーを作ったりなど、さまざまな食べ方ができます。
蜂の子
蜂の子は、長野・岐阜・愛知の伝統的な郷土料理によく使われます。タンパク質・炭水化物・脂肪・ビタミン・ミネラル・脂肪酸・必須アミノ酸などの栄養価を含み、貴重な栄養源として古くから食されてきました。その栄養価の高さは、約2000年前に中国で書かれた薬草の古書にも、健康維持に効果的であると記されています。
チーズや卵に似たクリーミーな食感で、うまみが凝縮した味が特徴。
さまざまな種類の蜂の子が食べられており、なかでもクロスズメバチやオオスズメバチなどが料理によく使われています。甘露煮や炒り蜂の子、佃煮などに調理して食べるのが一般的です。
カミキリムシの幼虫
カミキリムシの幼虫は長野の郷土料理の一つ。タンパク質と脂質がバランスよく含まれ、昆虫の中では脂質を多く含みます。そのため、エネルギー保持や肌の保護に効果的です。
虫特有の臭みがないため淡泊ながらも甘みとコクがあり、マグロのトロや白子に味が似ています。歯ごたえのある薄皮を噛むと、中身のとろりとした触感が楽しめます。
別名「ゴトウムシ」と呼ばれ、照り焼きや炒めてバター醤油で味付けをするのが代表的な食べ方です。昭和初期には、焼いたゴトウムシを子どものおやつとして与えられていました。
セミの幼虫
昆虫食が根付いている中国雲南省や河南省などでは、セミの幼虫がよく食べられています。素揚げなど調理して売られているだけでなく、食材としても販売されています。昆虫は高タンパク質のものが多いのですが、セミの幼虫は特にタンパク質を豊富に含み、その量は卵を上回るほどです。
気になる味は、クセが少ないため、食べやすいでしょう。パリッとした川エビのような歯ごたえが特徴です。成虫も食べられますが幼虫のほうが、うま味が強く、クルミのようなコクがあり味には定評があります。
一般的には、唐揚げや素揚げの他、チリソース炒めにして食べられます。
タガメ
タガメは、台湾やタイなど東南アジアで食べられています。日本にもタガメは生息していますが、絶滅の危機にある「国内希少野生動植物種」のため、日本産のタガメは食べられません。タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸を含む未来のスーパーフードとして、世界中から注目を集めています。
アオリンゴや洋ナシのようなフルーティーな香りを持ち、味に定評があります。
タイでは、唐揚げやナンプラー漬けにして食されています。また、その香りの高さから、刻んで香辛料としても使われることも。例えば、タガメと唐辛子を砕いてディップにした「ナムプリックメンダー」は、タイの家庭料理の一つです。
トノサマバッタ
トノサマバッタは、飼育する人もいるなど身近な虫ではないでしょう。アジア圏ではよく食べられている昆虫で、脂肪燃焼効果のあるアラニンを作りだすグルタミン酸やタンパク質を多く含みます。一方で脂質は少なく、ヘルシーな食材といえます。
トノサマバッタの味は、牧草のような爽やかな香りと強いうま味が特徴です。
素揚げや唐揚げにして食べられており、サクサクとした食感が楽しめます。香りを生かして、スコーン・ビスコッティ・クッキーなどのスイーツに使われることもあります。トノサマバッタのフンは香りが豊かで、茶葉を食べさせたトノサマバッタのフンは、フン茶として親しまれています。
サクラケムシ
桜の木につく害虫として一般的には処分されてしまうサクラケムシは、毛虫らしい見た目に反してクセがなく食べやすい昆虫です。9月中旬から下旬がシーズンで、北海道から九州と日本の広い範囲に生息しています。毛虫なので毒があると思われるかもしれませんが、毒を持たない虫なので、手で触っても問題ありません。
食べると、豆の皮のような歯ごたえがあり、ほんのりと桜の香りが口に広がります。その香りの良さを生かして、ジャムや桜漬け、砂糖漬けなどにして食べられています。
料理に使う昆虫はどこで手に入る?

昆虫料理を出すお店やインターネットで入手可能
料理に使う食用の昆虫は、ECサイトや昆虫食専門店などから入手可能です。昆虫そのものを販売しているお店はもちろん、手間なく料理に取り入れらえるロースト済みのコオロギや、昆虫パウダー、缶詰を販売しているお店もあります。
ほかにも、実際に調理した昆虫を提供するレストランで、自宅で食べられる昆虫食を販売しているケースも見受けられます。
料理されたものであれば抵抗も小さくなる
昆虫を自分で料理にすることに躊躇してしまう方でも、調理済みのものなら食べやすいのではないでしょうか。興味がある方は、ジビエや郷土料理とともに昆虫料理を提供しているお店などで、まずは試してみてはいかがですか。
タイ・中国・ラオス・ベトナムなど海外に行く機会があれば、現地で試してみるのも一つの手です。昆虫食文化が根付いている国であれば、昆虫食が手に入りやすく、比較的食べやすく調理されています。
まずは姿の見えない商品で試してみるのもおすすめ

昆虫料理を試してみたいものの、調理方法や見た目に不安があるという方は、まずは調理された商品を試してみるのがおすすめです。最近では、コオロギなど昆虫を粉末にし、クッキーやパン、パスタやラーメンなどの麺類に加工した商品が気軽に食べられます。
食品ロスを食用コオロギの餌として活用しているサーキュラーフードブランド「C. TRIA(シートリア)」では、コオロギパウダーを使用したさまざまな商品を販売しているので、昆虫食に興味がある方はトライしてみてはいかがでしょうか。
C. TRIA クランチ
コオロギのパウダーと大豆パフの相性が抜群のチョコレートクランチです。サクサクとした食感と、香ばしいコオロギパウダーの風味が魅力。タンパク質の含有率は約40%と、美味しく、手軽にタンパク質を摂ることができます。小分け袋に入っているので、お出かけの際や周りとシェアする際にも便利です。初めてのコオロギを食べるという人でも、気軽に手に取っていただけます。
C. TRIA クッキー ココア/ハーブ&ガーリック
コオロギパウダーが生地に練り込まれたココア味とハーブ&ガーリック味のクッキーです。ビターなココアは、普段のおやつやコーヒー・紅茶と一緒に楽しめます。個性的なハーブ&ガーリック味は、お酒と一緒に楽しむのがおすすめ!未来の食材コオロギの香ばしい風味を、手軽に楽しんでいただけるお菓子に仕上がっています。
その他の商品はこちら↓

Gryllus Online - グリラスオンライン|グリラス公式通販
グリラス公式オンラインストア。フードロスからコオロギを育て新たなタンパク質を生み出すサーキュラーフードブランドC. TRIA(シートリア)を展開中。「未来の循環食」を是非お楽しみください!
昆虫料理は気軽に食べられる時代に突入

今や世界的に注目されている昆虫食。ヨーロッパやアメリカなど昆虫を食べる文化があまりなかった国でも、昆虫食が広がっています。その背景には、重大な問題となりつつある、世界的な環境・食料問題の影響があります。
正解共通の課題の解決として、昆虫食が今よりもさらに身近となり、一般的に食べられる未来も近いかもしれません。