食用イナゴはどんな味? 昆虫食が話題になっている理由とメリットを紹介

食用イナゴはどんな味? 昆虫食が話題になっている理由とメリットを紹介

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食用イナゴはサスティナブルな観点から、世界中で注目されている昆虫食の一つです。日本では古くからなじみのある食品で、イナゴの佃煮に代表される郷土料理が全国各地で根付いています。本記事では、食用イナゴについて詳しく解説するとともに、昆虫食がなぜいま世界で注目されているのか、その理由を紹介します。

INDEX

食用イナゴは日本人になじみある昆虫食

日本の田園風景

食用イナゴは私たち日本人の食生活を長く支えてきた食品です。今でも山間地域を中心に、大切な食文化として守り伝えられています。まずは、日本における食用イナゴの歴史や食べ方などについて解説します。

食用イナゴの日本での歴史

イナゴは古くから日本で食べられてきました。既に縄文時代で昆虫を食べていたことが分かっています。イナゴは平安時代に書かれた書物に登場し、江戸時代の百科事典にはイナゴの蒲焼売りが載っているなど、一般に親しまれていたようです。大正時代にあった調査の結果でも、イナゴの佃煮を国民の50%以上が食べていたとの報告がなされています。このようにイナゴは長きにわたって身近な食料だったことがうかがえます。

食用イナゴの主な消費地域

食用イナゴを食べる習慣があるのは、日本列島の北から南まで全国17都県に上ります。この中には東京都や神奈川県、最南端の沖縄県などが含まれており、かなりの広範囲で郷土の味と認識されていたことが分かります。特に有名なのは長野県、群馬県、山形県と宮城県の一部の地域。共通点は海産物が採れない山間部の地域であることです。イナゴはそれらの地域において、貴重な栄養源の役割を果たしていたと言えるでしょう。

食用イナゴの伝統的な食べ方と風味

一番メジャーな調理法はイナゴを佃煮にすることです。サクサクとした食感や香ばしい風味は、海老に例えられることもあります。一般的な下ごしらえは、捕ったイナゴを通気性が良い袋の中で一晩置いて、体内をきれいにした後に袋に入れた状態で湯通しして良く洗い流します。これを炒ってから、砂糖醤油で煮付けて佃煮にするのです。
この他、素揚げしたり炒めたり、味噌にイナゴの粉末を混ぜてイナゴ味噌を作るなどの調理法があります。多くの調理法が地域や家庭によって受け継がれてきたものです。バッタの仲間なので見た目はバッタに似ていて、価格相場はイナゴの佃煮約100gで1,000円程度です。

日本で親しまれてきた食用イナゴのメリット

虫取り網を持って田んぼのあぜ道を歩く少女

日本人が昔からイナゴを食べてきたのは、さまざまなメリットがあったからです。ここではイナゴを食用にすることで受けられる2つのメリットを解説します。

栄養バランスに優れた完全食

イナゴは高たんぱく低糖質で、ビタミン類やミネラル、必須アミノ酸などの多くの栄養素をバランス良く含んだ完全食です。栄養バランスの良さは鶏卵に匹敵するほどと言われています。カルシウムも豊富で、「畑のカルシウム」とも呼ばれます。コレステロール値が低いと言われている現代人には嬉しい食品です。丸ごと食べられて余すことなく栄養素を摂取できるので、イナゴ食は国連食糧農業機関(FAO)からも推奨されています。正に天然のプロテイン、天然のサプリメントと言える食品なのです。

昆虫食でよく取り上げられる、コオロギフードについても知りたい人はこちらの記事もチェックしてください↓

一石二鳥のサイクルを生む

イナゴを食べることで、栄養摂取と害虫駆除ができるため一石二鳥です。秋の稲刈りから脱穀の時期に水田の周辺でイナゴが捕れます。イナゴは漢字で「稲子」と書く通り、稲を主食としています。稲を食べたイナゴは山国で暮らす人々の貴重な栄養源で、厳しい冬をしのげる保存食として活躍するのです。また食糧難の戦時中や終戦直後には、イナゴのお陰で栄養を摂取できた人も多くいたようです。

昆虫食が話題になっている理由①環境に優しい

森に置かれたクリスタルの地球

いま昆虫食は世界的に注目され、話題となっています。ここからは注目されている理由について紹介していきます。はじめは、環境にまつわる2つのトピックです。

温室効果ガスの排出を減らせる

昆虫は環境負荷が少ない食品です。タンパク質1kgあたりの温室効果ガス排出量(CO2換算)は、豚が約1kg、牛が約3kg。生産するタンパク質と同程度から約3倍の温室効果ガスが排出されます。これに対し、昆虫はなんと約1gしかないと言われています。このように、他の家畜と比較しても圧倒的に温室効果ガスの排出量が少ないと言えるでしょう。FAOの報告では、世界全体の温室効果ガス排出量のうち、18%が家畜の飼育にかかっている現状があります。昆虫食はこれを大幅に減らせるものとして注目されているのです。

省スペースで生産できる

昆虫は飼育・養殖する上で大きな面積を必要としません。可食部1kgの生産に必要な面積は、牛肉は200㎡、豚肉は50㎡です。鶏肉は45㎡かかるのに対し、昆虫は15㎡と少なくて済みます。森林伐採などの問題を解決し、自然を守れる可能性も秘めています。

昆虫食が話題になっている理由②生産効率が良い

原野に立って手でフレームを作るジェスチャーをする人

続いては、昆虫食が話題になっている2つめの理由、生産効率の良さについて解説していきます。昆虫食は従来の生産動物と比較すると、さまざまな側面が見えてきます。

新たな食循環を生み出せる可能性がある

昆虫食は、人の食べ物としてだけでなく、家畜の飼料としての可能性も指摘されています。国連食糧農業機関(FAO)は、家畜の飼料に現在使用されている魚を昆虫に代替すれば、コストが下がるだけでなく、人への魚の供給量を増やすことにもつながる可能性を示唆しています。家畜のふんを餌にして育てた昆虫を、家畜の飼料にできるという循環を生み出せるかもしれません。

生産期間が短くて済む

コオロギなどの昆虫は、生産から出荷までを約1ヵ月間という短期間で行えます。家畜を牧場で育ててから出荷するまでは、豚は約6ヵ月間、牛は約30ヵ月間の期間を要します。ハイコストや働き手不足の問題を解決したり、新たな産業を生み出したりすることもできるかもしれません。

少ない餌の量で多くの栄養が得られる

昆虫は餌から可食部を得る変換効率が非常に良いと言えます。約2kgの飼料で、約1kgの昆虫を生産できます。約1kgの牛肉を得るには、約8~10kgの飼料が必要です。タンパク質の含有量は、牛肉が100gあたり19~26g、昆虫(バッタ)は35〜48g。鉄分の含有量は、牛肉が100gあたり6mg、バッタ8~20mgです。

昆虫食が話題になっている理由③食品として優秀

テーブル上に置かれたピンクの皿とナイフ・フォーク

話題になっている3つめの理由は、現代人にとって昆虫食は、多くの再評価できる面が見えてきたことにあります。昆虫食は食育と次世代の食文化を作る可能性がある食品です。

粉末加工しやすく、調理にも使いやすい

昆虫は加工、調理が簡単にできる食品。昆虫は水分が少なく、乾燥させやすいので粉末加工しやすいです。加工が容易であることから、世界各国で収入の向上や起業機会創出につながることが期待されています。美味しく食べるための開発も進んでいて、昆虫食市場は発展を見せています。

食育や農業への理解が深まる

昆虫食は食育にも役立ちます。育てた命を調理していただくという体験や、日本の食文化や農業・自然環境についてなど多くの事も学べます。飼育に大きな設備は不要でコストも少なくて済み、また世話も簡単なので子どもたちが自ら飼育できるのも話題になる理由に。これらのことから食育教材として適していると言え、実際に取り入れている学校や地域もあるようです。

おいしい食用イナゴを食べてみよう

稲穂と青空

食用イナゴは、持続可能な食と暮らしの可能性を秘めた食品です。日本では比較的手に入りやすく、おいしく食べられる料理が多くあります。サスティナブルな観点からも注目される食用イナゴを、ぜひ味わってみませんか。

昆虫食について、より詳しく知りたい人はこちらもチェックしてくださいね↓

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